染織展 くずし 2024


 ごあいさつ

ふるさと飛騨古川に工房を構えて十五年が経ちました
はや十五年、まだ十五年、時は平成から令和に
世の中も著しく変貌を遂げました
見方を変えれば真逆になる事が増えてきました
正しいと信じたものが反対の悪に 過去は今 今は過去
その有様は「くずし柄」そのもの 表は裏 裏は表
どんなに状況や環境が変化しても変わらないのは
美しいものを欲する心、美しいものを創りたいと願う心
「くずし柄」もその一つ パソコンなどないその昔
農村の子女の美しいものを織りたいという思いから産まれた柄
その柄は抽象的で素直に魅了されます
美しいものを愛でる心に争いの種は決して芽生えません
先人の「美」への思い、それを未来につなげたいと願う想いを
感じとって下さいましたら幸いに存じます 

    令和六年 神無月吉日

           河合由美子拝 

 ふしぎな柄 くずし

 抽象という言葉を古人(いにしえびと)じゃ知っていたのでしょうか
「くずし柄」とは縦糸と緯糸が順番に交わる平織りでありながら表と裏の縞が逆転する柄のことです
 ※濃色と淡色のたて縞とよこ縞が交差する部分を裏返すと表のたて縞が裏ではよこ縞になります

 機(はた)織りは生きるために絶対必要な仕事
 生活の一部だったその昔 パソコンなどない時代
 織りのための計算や図式など知らなかった農村の子女の
 美しいものを創りたいという思いから産まれた柄に
 先人の大いなる智慧を感じます