工房の心念

古来より生薬、食糧として暮らしへの恩恵であった自然染料
色を染めて外服として身を守り、病を防ぐという智慧を生みました

草木の「いのち」をいただいた「色」は生薬でもあり、身につける人をより健やかで幸せにすると信じ染めています

織りは「祈り」、身につける方の健康と平安を念じながら手織りをしています

「衣、食、住」食物や住居よりも大切な「衣服」、その意味を工房から発進し続けます


色 いろいろ・・・・

「衣 食 住」

染め、織りは「衣」を産む源

 


自然の色はみんな仲良し
寄り添い 助け合い
ともに「美」を産みだします
その色に触れたとき
微笑みが生まれ
こころに「美」が灯ります

しあわせ紡ぐ 色いろいろ
私たちの身を包むいろいろな色
色を感じることができるのは
光があるから
そして生きているから
色は人となりを表し 心を現し
人に希望を与え 豊かにします


■一枚の手織り布が出来るまで

 一枚の手織り布が出来るまでには、このようにたくさんの手間と時間が費やされます。その昔、機織りが当たり前だったころ、女たちは赤子を育てるように、家族のために慈しみながら布を織りました

 糸紡ぎ 紡いで糸を作ります (麻は績(う)むと言います)
 精 錬 汚れを糸の種類(絹・木綿・麻・羊毛)に応じて、煮てとります
 糸染め 染材を煮出し、思う染め色になるまで繰り返し染めます
 糊付け 細い糸は切れないように糊をつけます
 意 匠 創るものの意匠を考え、必要な幅と密度、長さを計算します
 糸巻き 必要量の糸を糸巻きで管や糸枠に巻き取ります
 整 経 必要な糸の本数と長さを配列し整えます(着物1反の巾 1尺3分 約39センチ 経(たて)糸1130本・長さ約13.5メートル位)
 荒 筬(あらおさ) 竹筬(たけおさ)に織り巾1尺3分の糸(1寸約3.8センチ110本)を通します
 千 巻(ちまき) 糸の長さ13.5メートルを千切(ちきり)に巻き取ります
 綜絖(そうこう)通し 1130本の糸を綜絖の穴に通します
 (おさ)通し 竹筬に1尺3分、1130本の糸を通します
 織り準備 布巻き棒に糸を結びつけ、機(はた)を整え、織る準備をします
 小管(こくだ)巻き 緯(よこ)糸を小管に巻き取ります
◎織 り 縦糸の間に交互に緯糸を走らせ、1反約12メートル織り進みます
 仕上げ 傷などがないか調べます
 湯通し 縦糸の糊を落とし、縦糸と緯糸をなじませます
 湯のし 蒸気をかけ、風合いを整えます
 出来上り