染織展 飛騨色々 2013

 ごあいさつ 

 このたび、よきご縁にみちびかれ、当ギャラリーにて初めての染織展を開催させていただくこととなりました。

 三十年あまり親しんだ東京を離れ、ふるさと飛騨古川に工房を構えてまもなく四年になります。地元に暮らし、草木で糸を染め、機に向かうたびに、先人の豊かな智慧、それを育み、生みだした自然のおおいなるはたらきに畏敬の念を感じずにはいられません。
 
 草木で染めることは、自然のいのちを受けとること。その色は、名もなき民が日々の営みのかたわらに見つけ、創りあげたもの。
 下々(げげ)の国と呼ばれるほど飛騨が貧しかった昔、家族のための手織りを「うち織り」と言いました。その織りは、「祈り」。過酷な生活の中で家族をささえ、幸せと平安を願いながら機に向かうことは、わずかに許された癒しのときでもありました。

 そうした先人たちの礎(いしずえ)があってこそ現在(いま)の私たちがあること、一人ひとりが生かされていることを伝えてゆきたい・・・。
 「過去は現在(いま)、現在(いま)は未来、つながるいのち」
 ご高覧、ご批評いただけましたら幸いに存じます。

   平成二十五年 弥生   

     手織り由布衣工房 河合由美子