6月1日 更衣(ころもがえ)

6月から着物は裏地のある袷(あわせ)から裏地のない単(ひとえ)に変わり、初夏の風情になります。暖房の無い時代は着物の裏地に紅絹(もみ)と言う紅花で染めた絹地を用いました。紅花で染めた布は体感温度を2℃以上上げる働きがあり、先人の智慧から生まれた防寒法でした。時代は移り、着物の約束事は忘れられ、何でもOKの世の中に。5月上旬にお祝いの席に招かれ袷の紋付で伺いましたが、7月に着る絽(ろ)の訪問着の方がいらしてビックリしました。日本の季節の移ろいがなくなりつつあると感じる昭和の人間です。

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